こんにちは、Kiiです。
今回はメレンゲについて。
「ビスキュイエール・マカロン・スフレ・シフォンケーキ」など、様々なお菓子に使われるメレンゲ。
メレンゲって卵白と砂糖を立てるだけでしょ!!と思っている方いませんか?
そのとおり!卵白を立てるだけなんです。
だがしかーし!!
単純な作業だからこそ基本を理解しないと、しっかりしたメレンゲを作ることができません。
メレンゲをうまく立てれなかった場合、ケーキにどのような影響が考えられると思いますか?
1.ビスキュイエールやスフレケーキの場合
→生地の浮きが悪くなり、口当たりに影響する。
2.マカロンの場合
→マカロン表面のひび割れ。
膨らまず薄い生地になり、ピエが出ない。
メレンゲをきちんと作れないだけでお菓子の出来が悪くなってしまいます。
うまくできなくて、なんでだろう?
なにが原因なんだー-!!?っと思っている方。
「メレンゲちゃんの力」を発揮できてないかもしれませんよ!!
メレンゲをしっかりマスターすれば失敗する確率もかなり低くなると思います。
今回は、どのようにしてふわっとしたメレンゲになるのか、注意点やコツをわかりやすくお伝えしたいと思います。
ふわっとメレンゲに変身するのはなぜ?
卵白を泡立たせるために重要になってくるのが”起泡性と空気変性”です。
なんか科学的な言葉だなぁ~と思った方!
お菓子作りは科学的な一面もたくさんあるんですよー
液体状の卵白から気泡たっぷりのメレンゲに変身させる起泡性と空気変性について、
わかりやすく解説したいと思います。
卵白の起泡性
起泡性とは…泡立ちやすい性質のことで、卵白を泡立てると空気がまざり、気泡ができる。
卵白の起泡性に欠かせないものは表面張力です。
表面張力は物質が表面を出来るだけ小さくしようとする性質。
表面張力の力が強い水を、がんばって泡立てようとしても空気の気泡を作ることができません。
卵白の場合は、一部のたんぱく質が表面張力を弱める働きがあり、
泡立てると空気を抱え込み泡立ちます。
卵白の空気変性
空気変性…卵白を立てるとき、空気に触れることでたんぱく質の構造が変化し、膜状に硬くなる。
卵白に含まれるたんぱく質の空気変性の性質が
安定した気泡を作り、維持させることできめの細かいメレンゲができる。
卵白に砂糖を加えて立てるのも意味がある
1,砂糖を加えると、卵白の水分に砂糖が溶け粘度が高くなり、メレンゲの安定性が上がる。
2,砂糖には卵白の気泡性を抑える効果もある。
また、砂糖の量によっても仕上がりが変わります。
砂糖の量が卵白に対して半分以下だと、ふわっと軽い感じになります。
*個人的な感覚ですが、砂糖が少ない場合は泡立てすぎに注意が必要。
離水しやすいので、メレンゲができたと同時に生地と合わせられるような仕込みの流れを意識しています。
砂糖の量が卵白に対して半分以上だと、つやがあり粘度のあるキメの細かい感じになります。
砂糖の量でメレンゲの出来上がりが変わるので、作りたいお菓子によって使い分ける必要があります。
卵白に砂糖を数回に分けてたてる?!
お菓子の本などを見てると、砂糖を数回に分けて立てるやり方があります。
では、何のために砂糖を分けて入れる必要があるのでしょうか?
砂糖を数回に分け加えていくたびに、きめが細かくふわっとしたメレンゲになるからです。
上で説明した通り、砂糖を加えるたびに、起泡性を抑えながらメレンゲの安定性もよくなります。
数回に分けることによって、少量のメレンゲを作る際でも、きめの細かいメレンゲを作ることができます。
ただ、入れるタイミングなどが人によって違いが出るので、卵白が泡立つ状態をしっかりと覚えないといけません。
砂糖を一気に入れて立てるとどうなる??
問題なく、メレンゲを作ることができます。
しかし一気に砂糖を入れて立てると、「メレンゲができるまで時間がかかる」「キメは細かいけどボリュームがでない」などがよく言われています。
やっぱり、一気に入れないほうがいいの?
私の個人的な考えですが、卵白の温度に注意したり、添加物をうまく使えば問題ないと思います。
多少の違いはありますが、卵白や砂糖の量を見ながら作り方を変えるといいと思います。
また、乾燥卵白・レモン汁・クレームタータなどの添加物を使用することで、より安定したメレンゲを作ることができます。
卵白の状態
卵白には「水様卵白」「濃厚卵白」があります。
卵を割ったときに卵黄の周りにある、どろんっとした卵白が「濃厚卵白」
濃厚卵白の周りにさらっとした卵白が「水様卵白」になります。
卵白の鮮度はメレンゲにどう影響する?!
~新鮮な卵白の場合~
濃厚卵白の割合が多く粘度が高いため、表面張力が強い。
そのため、起泡性は弱くなるが安定したメレンゲになる。
~鮮度が落ちた卵白の場合~
濃厚卵白が水様化を引き起こし水様卵白の割合が多くなり、表面張力が弱い。
そのため、起泡性は強くなるが安定性は低くなる。
卵白の鮮度によって多少はメレンゲの状態が変わります。
個人的な感覚では、夏の卵は水様卵白の割合が多いような感じがします。
鶏も夏バテしているのかな??
卵白の温度
卵白の温度が高い場合(30~40℃)
表面張力が弱くなるため、起泡力は高くなる。
低い温度の場合(2~15度)
表面張力が強くなり、起泡力は低くなる。
個人的な経験上、卵白は低い温度で立てたほうがいいと思っています。
理由としては、冷たい卵白のほうがキメが細かく、安定性の高いメレンゲが作れるからです。
結果、生地と合わせてもつぶれにくい状態でふわっと仕上げることができます。
メレンゲを作る方法にもよりますが、フレンチメレンゲの場合、
卵白を立てる直前まで冷やしたほうがしっかりと立ち上がります。
卵白が常温に近い温度だと、ボリュームがあるメレンゲになる。
でも、泡の安定性があまりよくないです。
まとめ
1.卵白がメレンゲになるには、卵白の中に含まれる一部のたんぱく質が「起泡性」を持ち
「空気変性」を起こしてるから。
2.卵白に砂糖を入れることによって、粘度が高くなり起泡性も抑えられるので、
キメが細かく安定したメレンゲができる。
3.卵白の鮮度や温度の違いによってメレンゲの状態が変わる。
メレンゲを上手に作れるようになると、お菓子作りの幅も広がります。
一緒においしいお菓子を作り続けられるようにがんばりましょう!
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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